小鳥の子ども


14日はおもしろいことがあった。小屋のドアを開けてしばらくすると、小屋のなかで3羽の鳥が飛び立った。
屋根裏の隙間や開いた出窓から小鳥が入ってくることは珍しくないけれど、3羽もいたのは初めてだった。
一羽だけすぐにドアから外に出たのだが、2羽が小屋の中に残ってしまった。
よく見ると、まだ生え変わった毛が少しついていて尾羽が短い。
足元もおぼつかないような小さな鳥、ヒナからようやく飛べるようになった子どもだ。
まっさきに小屋から出たのは母親だろう。
母親のいなくなった小屋のなか、子どもは何が起こったのか、どうしたら良いのかわからない様子。
小屋の窓をほとんど開けて、どこからでも飛び立てるようにしたのだが、子どもにとっては「飛んで小屋の外に出る」ということもわからないようで、
床に呆然と立ち尽くしている。
親鳥は来ない。
しばらくして、しきりに鳴く鳥のさえずりが聞こえるようになった。
小屋の近くの枝にとまりながら小屋の中を伺っているヤマガラ
親鳥だ。
中を伺いつつ、少しずつ小屋に近い枝を点々としながらしきりに鳴いている。
下の出窓のそばに小鳥がいたので、出窓を開ける。
小鳥の子どもはびっくりして何度か鳴くと、無事に縁側の窓から外に飛んでいった。
自分が住む前に、鳥小屋になっていたぼくの小屋。
作るのに時間がかかっているけれど、徐々に小屋ができ、移住していく過程(時間)は、
小屋が鳥たちにも受け入れやすい存在になれていくために必要な時間なのかもしれない。